戦闘車両分類学

 私のブログの中に、第二次大戦の頃の車両の種類に関する言葉がたくさん出てくるので、ここで整理の意味をかねて、当時の戦闘車両を簡単に分類をしてみたいと思います。

 ◆戦車(せんしゃ)
 360度回転する砲塔(主砲の操作室)を持ち、装軌(キャタピラ)駆動で、対戦車用の砲(戦車砲)とそれを撥ね返すだけの堅牢な外板(装甲板)に覆われた車両です。
 対戦車戦闘に主眼が置かれて開発されており、拠点奪取等の作戦成功のカギを握る車両でもあります。

 ◆自走砲(じそうほう)
 砲塔を取り去った戦車の車台に、一回り大きな大砲を取り付けた車両です。砲車ともいいます。
 大砲の操作室(戦闘室といいます)がオープンのものと、戦車のように装甲板に覆われてクローズされたものがあります。
 ドイツでは、クローズタイプのものを、特に「突撃砲」と呼んでいました。
 オープンタイプのものは防御力がないため、主に後方支援に使われるのが普通でした。

 ◆突撃砲(とつげきほう)
 この呼び名はドイツだけのものです。
 (“Strumgeschuetz【シュツルムゲシュッツ】”と呼ばれていました)
 本来は、歩兵の支援のために開発された砲車の一種です。
 戦車と同様に、堅牢な装甲板に覆われていますが、回転する砲塔がありません。
 そのため、戦車よりも大量生産が可能でした。
 戦争後半では戦車不足を補うために、対戦車戦闘にもたくさん駆り出されました。

 ◆駆逐戦車(くちくせんしゃ)
 「対戦車戦闘に特化した自走砲」ということになるでしょうか。クローズタイプの自走砲(突撃砲)との区別が難しいですが、基本的により重装甲・重武装です。
 ヤークト・ティーガー、ヤークト・パンターなどは、これに分類されます。
 戦闘の最前線で、押し寄せる敵戦車をなぎ倒すために使われました。

 ◆ハーフトラック
 半装軌車両ともいいます。トラックの前輪を持っていますが、後輪の代わりに装軌(キャタピラ)が取り付けられたものです。
 あらゆる物資や兵員の輸送、対戦車砲や輸送コンテナの牽引などを行いました。
 特にドイツではたくさんのハーフトラックが作られています。
 中には軽装甲を施し、機銃弾くらいは撥ね返せる兵員輸送車や砲車も作られました。

 ◆装甲車
 装輪(つまりタイヤ)駆動で、装甲が施してあり、大砲が装備されている車両です。
 戦車より防御性能ははるかに劣りましたが、機動性が非常に高く偵察などにも頻繁に用いられました。
 当時の戦車の最高速度は速いものでもせいぜい50km/hほど。しかも、この速度で連続運転は不可能でした。
 それに比べて装輪装甲車は、70~80km/hを安定して出すことができました。

 他にも支援部隊の車両にはいろいろなものがあります。
 動けなくなった(擱座(かくざ)したといいます)車両を救出・牽引する車両や、食事を作る野営キッチン(ようは屋台ですね)のような車両までありました。
 こういう車両は現存するものはもちろん、写真も少ないので、文献でしかわかりませんが、興味はつきないですね。
 (写真は3号突撃砲G型。低姿勢な車体は発見される確率が低かった)
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by ex_kazaguruma | 2003-10-16 10:00 | ミリタリー | Comments(0)

思いつくことを思いついたときに。心のかざぐるまをまわそう。


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