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虹色のかざぐるま windmuehle.exblog.jp

思いつくことを思いついたときに。心のかざぐるまをまわそう。


by ex_kazaguruma
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スピードマスター

スピードマスター_d0124362_10114311.jpg 腕時計に興味のある人なら、この名前を聞けば必ずわかるというほど有名な時計です。
 その名は、「オメガ・スピードマスター・プロフェッショナル」。
 数ある時計の中でも、この時計ほど「伝説」に彩られたモデルはないでしょう。

 1957年に誕生したこの時計のプロフィールは、機械式手巻きで風防はプレキシガラス(強化プラスチック)、防水は日常生活防水で、クロノグラフ(ストップウォッチ)機能を搭載したものです。
 大きさの割りに軽量なこの時計は、もともとモータースポーツ用に開発されたものでした。
 そのためケースは何と3重構造になっており、耐震機能も充実しています。
 ただ、この機械部分はオメガのオリジナルではなく、クロノグラフの名門であるレマニアとの共同開発製品です。

 伝説の一歩は、NASAから始まりました。
 NASAはアポロ計画を進める上で、宇宙で使う時計の選択に躍起になっていましたが、新しく開発するには時間がなさ過ぎるため、既存の市販機を流用することにしたのです。
 ヒューストン市内の時計店から、20本近い「使えそうな時計」を集めた彼らは、宇宙での使用を想定して、考えられる限りのテストを行ったのでした。
 その中には、オメガ・スピードマスター・プロフェッショナルも含まれていました。
 ところがそのテストは過酷を極め、壊れて使い物にならなくなる時計が相次いだそうです。
 終盤に残ったのは、このスピードマスターを含む2本のみ。
 さらにテストを続けていく過程で、最後の1本が脱落してしまいました。
 すべてのテストをパスしたのは、このスピードマスターのみです。

 これをきっかけにして、スピードマスターはNASAのオフィシャルウォッチとしての地位を確立します。
 名声を極めるスピードマスターとオメガ。
 当然、虎視眈々とその地位を狙う各国の時計メーカーがいるのは当然のことでした。
 公開入札にして、自社の時計もテストに参加させてくれるように、NASAに強く求めたのです。
 特に、同じアメリカのメーカーからの要望は根強いものがあったといいます。
 彼らは、自国の技術の象徴であるNASAのオフィシャルウォッチがスイス製であることが、許せなかったのかもしれません。
 NASAもこれを承諾。オメガからもスピードマスター以外の数本の時計が参加しました。
 結果は…。
 スピードマスターの地位を脅かす時計は、この地上に存在しないことが再び証明される結果となりました。
 同じオメガの時計ですら、このテストに合格することはなかったのです。

 もしあなたが、一生使えて丈夫で軽く見やすい時計をお望みなら、ぜひこのオメガ・スピードマスター・プロフェッショナルの購入を考えてください。
 3~5年に一回のオーバーホールを施すだけで、100年以上は余裕で使えるはずです。
by ex_kazaguruma | 2003-10-03 10:00 | 時計 | Comments(0)