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虹色のかざぐるま windmuehle.exblog.jp

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by ex_kazaguruma
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きしめん

 名古屋を代表する麺といえば「味噌煮込みうどん」と「きしめん」ですが、今回はきしめんのお話。
 この「きしめん」という名前の由来は、雉の肉を入れた「きじめん」がなまったものだとか、紀州出身の人が作り始めたからだとか諸説あって、はっきりしないようです。
 十返舎一九の「東海道中膝栗毛」に今岡村の「いもかわ」に名物の麺があるとか、井原西鶴の「好色一代男」に芋川という里に「平打ちうどん」という名物がある、などと書かれています。
 いろんな古地図をひっくり返して調べ上げた結果、この「芋川の里」は現在の愛知県刈谷市今川町であるってことが分かっているらしいです。
 どうやら江戸末期には、現在のきしめんの形のものがあったと思われますね。

 実は私は、名古屋に住んで久しいのに、きしめんを食べたことはほとんどありません。。
 あの腰がなくて、つるつるした平麺の食感がダメなのと、名古屋特有の濃い目のダシと、どれをとってもあまり好きになれないんですよね。
 いえ、あくまで個人的な好みなんですけどね。

 香川の讃岐うどんや、三重県伊勢市の伊勢うどんなどは、地元の人が日常から食べているうどんというイメージですが、きしめんはどうでしょうかね。
 最近は、店で注文している人をほとんど見かけないです。
 何でも聞いたところによると、きしめんを注文する人は全体の1割もいないそうな。
 いろんな土地から人の流れ込む名古屋で、きしめんの需要がそれほど伸びないっていうのは、いくつか理由が考えられますね。
 ひとつは、今のトレンドが、腰のある讃岐うどんであるということです。
 きしめんは讃岐うどんと比べて、腰がなくて柔らかいですし、箸にもかかりにくく、腹持ちもそれほどいいとは言えません。
 もうひとつは、日本全国のいろんなうどんが食べられるようになった現在、きしめんが既に選択肢から落ちていると思われるんですよ。
 もっとはっきり言っちゃうと、「名古屋名物」という以外にきしめんを選ぶ必然性がないってことです。
 あと、これは私の思い過ごしかもしれませんが、あの麺の形状からくるつゆのはねやすさと、麺をすする時の音にあるんじゃないかとも思います。
 うどんに比べて持ち上げたときの収まりが悪いきしめんは、慣れないとつゆがはねやすいんですよ。
  それにすすり込むときも、うどんは太さがあるので「ずずーっ」って感じですすり込めますが、きしめんはぺらぺらしているので「ずびびーっ」ってなっちゃうんですよ。(違いが分かりますか?)

 私の勧めるきしめんの食べ方は、「ざるきし」です。
 ざるうどんのきしめん版ですが、これだと冷たい分だけ少し腰があるし、箸からも滑りにくいので、つゆがはねる粗相を犯す危険度が下がります。(笑)
 ちなみに、きしめんに限らずおいしい麺類を食べたいのであれば、駅の立ち食いではなく、きちんとしたお店へ行くことをお勧めします。
by ex_kazaguruma | 2003-09-17 10:00 | 料理・食べ物 | Comments(0)