虹色のかざぐるま windmuehle.exblog.jp

思いつくことを思いついたときに。心のかざぐるまをまわそう。


by ex_kazaguruma
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カテゴリ:回想録( 4 )

白い自動車の怪

 あれは今から15年ほども前のこと。
 ある月曜の夜、遅い時間に家に帰ると、家の前に見慣れない白い自動車が停まっていました。
 「近くの人が停めていったのかな?」と思いつつ、さほど気にもしないでいました。
 次の朝、会社へ行こうとドアを開けると、まだ停まっています。
 次の日も、そしてまた次の日も。
 土日には私が一時的に自動車を停めたりする場所でもあったので、放置自動車なのか心配になってきました。
 週末まで放置してあるようなら、警察に電話しようと思っていたのです。
 そんなことがあった週の金曜日。
 突然、親父から電話がかかってきました。

 「お前の車、盗まれたかなにかで放置されているようだぞ。今、警察から電話がかかってきたんだ。ちょっと駐車場を確認してみろ。」
(なぜ親父に電話があったかというと、名義が親父になっていたからです)

 私はびっくり仰天!
 いつもの駐車場に見に行くと、やはり自分の自動車がない!
 先週の日曜に乗ったきりで、確かにこの駐車場に入れたのに!
 あわてて親父に電話をして、どこに放置されているかを聞き出しました。

 「名古屋市○○区○○町○丁目付近とある。○○区だとお前の家の近くじゃないのか?」
 確かにその住所は自分の家の近くでした。

 ん!? え~っ!? も、もしかして!!?

 そう、あの白い自動車こそ私の愛車だったのです。
 つまり、日曜に自宅前に路駐してそのまま一週間。
 しかし、いくらなんでも自分の自動車が家の前に停まっていて、それを一週間も自分の自動車と認識できないなんて。
 あのときほど、自分の脳の記憶システムがぶっ壊れたんではないかと思ったことはありません。
 なんとも不思議な体験でした。
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by ex_kazaguruma | 2009-04-09 17:27 | 回想録 | Comments(0)

ある夫婦の話

 私がまだ若かった頃、お盆で親戚の家に行ったとき、親族からこんな夫婦の話を聞いた。
 (この夫婦は私の遠い親族にあたる)

 昭和20年頃、名古屋の熱田神宮の近くに、ある夫婦が住んでいた。
 中年を過ぎて久しい年齢であったが、夫は健康そのもの。しかし妻は足が不自由で歩けない状態であった。
 太平洋戦争の動向が決定的になった昭和20年3月。米軍は名古屋の中心部に大規模で執拗な空襲を行った。
 夫婦はこの後もこの地に空襲が続くと考え、疎開することを決意する。
 特に足の不自由な妻をどう疎開させるかは、大きな課題であった。
 夫はまず、家財道具で必要なものを疎開先へ送り込み、しかる後に妻を疎開先へ連れて行くという方法を考えた。
もちろん送り込むといっても、現在のように運送業が十分に活動しているわけではないので、自力で必要なものを少しずつ搬送していたのだという。
 必要な家財道具は何とか疎開先へ移送することができ、さぁ妻を連れて疎開先へという矢先、世に言う熱田空襲が始まってしまう。
 熱田空襲は軍部の隙をついた形で、いったん空襲警報が解除された後に行われたため、多くの犠牲者が出た。
 夫婦はこの空襲の犠牲になった。
 もしその時、非情に妻を見捨てて自分だけ逃げれば、夫は助かったかもしれない。
 しかし現実には、夫が足の不自由な妻をかばうかのような形で折り重なり、焼死していたという。

 たくさんの犠牲者が出た中で、なぜこの夫婦だとわかったか。
 それは妻が当時ではもう珍しかった「お歯黒(鉄漿)」をしていたからなのだという。

 この夫婦の話を聞いて、若い私は思った。
 将来、自分が結婚してこの夫婦と同じような年齢になったとき、私は自分の妻に対してこの夫と同じことができるだろうか、と。
 もちろん時代は当時と異なり、戦争状況下でないだろうけれども、妻に対する愛情(というよりも覚悟とか責任という言葉がふさわしいと思うが)を極限状況下で発揮することができるだろうか、自分でもはなはだ疑問に思う。

今の10代、20代の若者に、この夫婦はどう映るのであろうか。
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by ex_kazaguruma | 2008-08-16 10:31 | 回想録 | Comments(2)

父の戦時体験

■兵役免除
 私の父(大正11年9月1日~平成14年3月12日)は、普通ならば太平洋戦争に徴兵された年代です。
 が、父は左胸の肋骨を一部なくす大ケガをした経緯があって、兵役に適さない丙種というランク付けをされていました。
 このため、当時名古屋の千種精機という小さな工場で旋盤工として働いていた父は兵役に就かず、中島飛行機 武蔵製作所で働くこととなりました。
 父はそこで、主に疾風(はやて)のような戦闘機の燃料ポンプを製造していたそうです。

■開店休業
 ところが戦況が進んでいくと生産現場は開店休業状態となり、廃木材を集めて毎日のように下駄を作っていたそうです。班長をしていた父の部下には多くの女の子がいたらしく、この下駄はけっこう人気があったとのことです。当時、履物さえ不自由だったでしょうから、なかなかしゃれたアイディアだったと思います。

■焼き芋屋
 当時サツマイモはよくおやつとして配給されていたそうです。このあたりの事情は軍需工場ならではで、世間では食うや食わずやという状況でも軍関係の施設では比較的潤沢に物があったことを連想させます。このことについては父も認めておりました。
 しかし、おやつもサツマイモ一辺倒だったため、工場内ではかなり飽きられていたそうです。
 特に男連中はサツマイモが苦手なうえ、焼くこともままならないため、各所で余ってしまっていました。父は各班を回って余ったサツマイモをかき集め、燃料コークスを入手して火を起こし、これを焼いて部下の女の子たちにあげていたそうです。コークスに点火するにはかなりコツが要るらしく、鍛冶屋の経験があった父ならではのことでした。

■敗戦の確信
 戦況が厳しくなっていったある日、工場の近くにB29が墜落したそうです。
 父は工具を自転車に積み、墜落現場に急ぎました。
 持って来た工具で急いで燃料ポンプを外し、持ち帰ってきたそうです。
 その燃料ポンプを、今自分達が作っている燃料ポンプと比べてみたそうです。
 結果は一目瞭然。
 日本のものには燃料漏れを防ぐため各所にパッキンやオイルシール用のリングなどが使われていたそうですが、B29のものにはねじ込むだけで密閉されるように工夫されたネジが切ってあったそうです。
さらに材質も全く違い、B29のそれは金ノコを入れてもなかなか歯が立たないような硬いものであったそうです。また、重量はほぼ半分ほどしかなく、堅牢かつ軽量な上に部品点数を極力少なくする工夫がなされていました。(※1)
このとき、父は「日本は戦争に負ける」と確信したそうです。
(※1)このエピソードは父から聞いたものですが、燃料ポンプを外すことが一人でできたかは怪しく、おそらく何人かのグループで駆けつけて、憲兵がやってくる前に“仕事”を済ませたものと考えられます。

 今日は63回目の終戦の日。
 戦争は体験していないが、戦争体験を直に聞いた世代として、伝えるべきことがたくさんあると思った次第です。
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by ex_kazaguruma | 2008-08-15 08:54 | 回想録 | Comments(2)

なつのおもひで

 小学生のとき、夏休みになると虫捕りが日々の仕事のようになっていたなぁ。
 近くの市営球場へ行くと、バッタやキリギリス、チョウやミツバチがいっぱいいてさぁ。
 生まれて初めてミツバチに刺されたのもここだったっけ。びっくりしたなぁ。
 初めて「オオスカシバ」ってガを見たのもここだった。ハチドリのようにキレイだったけど、翅がブンブンうなってて、ちょっと怖かったなぁ。
 市営球場の「客席」は深い草むらになっててね。キリギリスやカマキリなんかがたくさんいたなぁ。
 で、今度は下に降りて「ダグアウト」から球場に出てみると、短い芝生があってさ。
 そこにはトノサマバッタがいっぱいいるわけね。よく捕ったなぁ。

 市営球場へ行かない日は、近くの線路の土手に行って虫を捕るの。
 アブなんかもたくさんいたけど、刺されたことはなかったなぁ。
 ここでも主役はキリギリス。よく鳴いてたけど、捕まえるのは難しかったよ。
 セミは捕まえてもすぐに死んじゃうから、捕まえたら適当に観察してすぐに放してやるのね。
 ギーギーうるさいせいもあるんだけどさ。

 夏の虫で飼ってたのは、カブトムシ。
 水槽に土を敷いて、夏のキャンプのときに捕まえたのや、夏祭りで買ってもらったのを大事に飼ってたなぁ。スイカの皮やキュウリをあげてさ。
 ある夜、網戸にバンバンとぶつかる音がしてたんだ。びっくりして見に行くと、水槽のカブトムシのメスが逃げ出してたの。上手く捕まえることができて逃げられずにすんだ。
 結局、子供を増やすことはできなかったけど、毎日飽きずに見てたっけ。
 夏の終わりに死んでしまったときは悲しかったなぁ。

 もう40年近く前の出来事だけど、覚えているものだなぁ。
 今年も夏休みがやってきました。
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by ex_kazaguruma | 2008-08-10 17:41 | 回想録 | Comments(0)